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9年間「不登校ゼロ」を実現した小学校。その教育方法とは?ドキュメンタリー映画"みんなの学校"を観てきた!

投稿日: 2015年05月21日

みんなの学校:大空小学校の教育とは

(C)関西テレビ放送

2006年設立から9年間「不登校ゼロ」の小学校があります。

「すべての子どもが安心できる居場所をつくる」を理念にする大阪市立大空小学校。
1年間にわたり同校の取材をした関西テレビのドキュメンタリー番組が映画化された「みんなの学校」。監督の真鍋俊永さんが「社会を変える映画にしたい」と話すように、各地で評判を呼んでいます。映画公開前に放送されたテレビ版ドキュメンタリー「みんなの学校」の放送後には全国各地から、支援を必要とする子どもたちが数多く、校区内へと引っ越しているそうです。

今回ハレナビ編集部も映画鑑賞という形で”学校参観”してきました!

  • 教育関係者
  • 子育て中の親御さん
  • 人を育てる立場にあるリーダー
  • 社会に属する方々

みんなに知ってもらいたい素晴らしい映画!あるべき公教育の姿とは?
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※一部パンフレットからの文言の引用については、映画配給会社である「合同会社 東風」様に許可をとった上で掲載しています。

特別支援教室は作らず、みんなが同じ教室で学ぶ

大空小学校の全校児童は約220人。発達障害をはじめ特別な支援が必要な子どもたちが30人以上(約13%)も通います。学年ごとに偏りはあるが、7人に1人という計算です。それでも障害があるからといってクラスを分けていません。

障害があろうが無かろうが色んなタイプの子どもがいる、それは大人も同じ。一見変わったように見える子でも、「この子はこう考えるんだ」と個別に落としこんで理解しようとする、生徒も教師もみんながそういう態度で挑むのが、大空の空気と木村泰子校長は言う。

 

みんなの学校 大空小学校の様子

(C)関西テレビ放送

──大空小学校には、よその学校で別の教室に隔離されたり、問題児として扱われた子がしばしば転校してくる。

ユヅキ
9月。噂の「彼」が3年生に転入してきた。
ユヅキに関する前の学校の校長からの申し送りは「やられたらやり返す。集団登校の途中で寄り道をする。あかんでって注意されるとくってかかる。難しい話を切り出したらわーんとなって一切話はきかない」
ところが、初日の自己紹介で、クラスの子が何かを言うたびに、「よろしくお願いします」とユヅキ。先生たちはちょっと拍子抜けした。

1ヶ月後、ユヅキは初めて教室から逃げ出した。
プリントに「わからん」て書いたら、隣の席のコクドに「わからんて書いたらあかん」と言われたのが原因だった。校長はクラスを集めて話す。「ユヅキは1年、2年と学校に全然行かれへんかってん。あんたらはわかるけど、ユヅキはそんな勉強してへんからできへん。自分と一緒やと思ってつきおうてたらアカンと思うねん。わかってるコクドはわかれへんユヅキを助けなあかんのや」

「ごめんね」というコクドに、ユヅキはこっくり頷いた。ユヅキの心に「安心」が生まれた。

※みんなの学校パンフレットより引用

校長先生が不登校だったユヅキ君と、みんなとの”違い”を説明し、どうすればよかったのか?これからどうすればよいか?生徒がそれぞれしっかり理解できるように落としこむ話し合いのシーンがとても印象的でした。不登校の子どもをどう変えるのではなく、周りの人がその子をどう理解して接するか、それを大事にしているのがよく分かります。

学校が変われば、地域が変わる。そして社会が変わっていく

大空の教職員は通常のルールに沿って配属されているが、地域の住民や学生のボランティアだけでなく保護者の支援も積極的に取り入れた「地域に開かれた学校」として、多くの大人たちで見守る体制を作っています。地域の人達で組織された「パトレンジャー」が通学時を見守ったり、登校しない子どもがいれば、自宅まで自転車で迎えに行ったりといった徹底ぶり!

校内では子どもも大人も徹底して守らせている”たった一つの約束”があります。
それは「自分がされていやなことは人にしない、言わない」ということ。

 

みんなの学校:大空小学校の教育とは

(C)関西テレビ放送

──たった一つの約束を破ると”やり直しの部屋”とする校長室へ向かうのがきまり。

マサキ
イライラするとすぐに友達に暴力をふるってしまう4年生。
校長にお説教された後、反省文を書いた。「僕はこれから、絶対に人に暴力をふるったり、暴言を吐いたりしません」。
ところが、3日後同じクラスのタイカを殴ってしまう。

大空小学校では学校の約束を破った子は、自分から校長室に反省に来る。
「僕が先にボールを取ったのに、タイカが後ろから…」。先生たちに促されて謝りに行くと、今度はタイカがマサキを殴った。

もつれあったまま迎えた「2分の1成人式」。保護者を前に、みんなの将来の夢を語る中、マサキはきりだした。
「今の自分の目標。人に暴力を振るわない。えー、人に暴言を吐かないことです」。ときどき、涙で途切れながら言いきった。「人に嫌なことを言われても、こらえ…我慢します。理由は僕は最近、暴力をふるうことばっかりしてるから…そこを直したいからです」

※みんなの学校パンフレットより引用

理想の学校モデルが大空小学校にある

大空小学校の取り組みは、支援が必要な子どもたちのためだけではなく、経験の浅い先生をベテランの先生たちが見守る体制も徹底しています。

新任教師が言うことを聞かない子どもに向け怒声を浴びせたとき、校長がその教師を呼び出し、「本気で腹がたったんだろう、クビや!」と叱るシーンがあります。そこには、”それは子どもへの体罰だ”と、断固として糾弾する校長の姿勢がありました。

その後も慣れない環境に悩み、一人抱え込んでしまう新任教師に対して、同じ学年の教師同士で話し合いの場が設けられ、課題を解決していきます。こうして大人同士の信頼関係も生まれていくのが分かりました。

——-

大空では障害という言葉は使わない「みんなが何かに困っている」そういう概念で接し、 困難を解決する”考える力”を付けさせる教育が徹底されています。 インクルーシブ=多様性を認める教育は、大空小学校の取り組みで理解することができます。

自分の価値観が揺るがされる映画「みんなの学校」是非足を運ぶことをオススメします!

映画情報

平成25年度(第68回)文化庁芸術祭大賞受賞
映画『みんなの学校』公式サイト (※別サイトへ移動します)
劇場情報 (※別サイトへ移動します)
自主上映会募集中 (※別サイトへ移動します)

●予告動画

編集後記

みんなの学校パンフレットこの映画を見終わった後、「今までいかにコミュニケーションをサボってきたか」ということを深く考えされられました。 年齢を重ねていくと、人は様々なことにバイアス(育った環境や文化、経験などさまざまな要素からなるフィルターのこと)がかかり、区別・差別して物事を決めつけてしまう場合があります。本質を理解しないで真のコミュニケーションは取りにくく、人間関係が間違った方向に行ってしまうこともあります。

「みんなの学校」は学校生活だけではなく、人間関係、社会で生きていく上で、本当に大事なことは何か?を教えてくれる映画です。
多様性を理解し愛をもって接する、物事の本質を知り受け入れる。そうすることにより「人の気持ちが分かり、人を助けられる、優しい子」に育つのではないでしょうか。

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